日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.42,No.6 (2014)

表題:
木材劣化の現状とその対策[1]
開講にあたって
著者:
小林智紀(三和インセクティサイド(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.42,No.6,pp.331-336(2014)

木材は再生可能な資源であり,鉄や石に比べ単位重量あたりの強度にも優れ,しかも吸放湿性を有することから優れた建築材料である。しかしながら天然有機物質で構成されているがため,腐朽菌などの生物による劣化を受けやすいという欠点を持つ。そこで,本講座では木材の生物劣化の現状とその原因となる事例を紹介し,その防止策を提案する。本稿では開設に先立ち,生物劣化でも重要な腐朽の被害について,それを発見するための検査方法を紹介する。検査方法には肉眼による方法と簡易的な機器を用いた方法がある。肉眼的な検査では,基礎的な知識を習得するだけで誰にでも手軽にできるが,腐朽の進行度合い,範囲を数値的に評価するには経験と標準的な情報を必要とするが,簡易的な機器を用いなければならない。腐朽被害の発見,度合いを見極めることは,住宅を健全に維持するために大切である。

Key words:
生物劣化/腐朽診断/白色腐朽/褐色腐朽/軟腐朽/ピロディン/超音波発信器/再生可能資源.