日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.42,No.6 (2014)

表題:
浴室天井の真菌汚染(原著論文)
著者:
山岸 弘,村田里美,藤村昌平,長谷川貴通,田中孝祐(ライオン(株)),李 憲俊((株)衛生微生物研究センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.42,No.6,pp.295-298(2014)

浴室の真菌汚染は代表的な住環境の微生物汚染の一つであるが,浴室天井の真菌汚染についての詳細な調査例はほとんどない。そこで,25家庭を対象に浴室天井の真菌汚染について検討した結果,肉眼観察では真菌検出率が36%(9家庭)であったのに対し,顕微鏡観察による真菌の検出率は84%(21家庭)であった。それら真菌の81%(17家庭)において胞子形成が観察され,それらの中には発芽による胞子形成,菌糸から形成された厚膜胞子,時間の経過と共に変形した胞子の塊が観察された。天井汚染真菌の種類は,Cladosporiumの検出率が最も高く,次いでPhomaの検出率が高かった。Cladosporiumが検出された箇所周辺の生菌数(真菌数)は天井100cm2当たり,103CFU以上が93%,105CFU以上が72%と極めて高かった。

Key words:
Fungi contamination(真菌汚染)/Ceiling of the bathrooms(浴室天井)/Spore formation(胞子形成)/Hypha(菌糸)/Cladosporium(クロカビ).