日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.42,No.5 (2014)

表題:
食品の微生物変敗防止技術と制御[10] 惣菜の微生物変敗と制御
著者:
佐藤豊樹(アサマ化成(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.42,No.5,pp.269-277(2014)

惣菜を変敗させる微生物は,Bacillus,乳酸菌,真菌,グラム陰性菌を含む雑菌の4つの型に分けられる。食品から変敗の主因となる微生物を迅速に分離,同定し,微生物汚染の型を把握しその型に合った対策をとるべきである。Bacillusは主に植物性食品原料から食品に混入,乳酸菌,カビ,酵母,グラム陰性菌は加熱後の冷却工程において殺菌が十分でない器具,機械を介して食品に付着する。微生物の混入防止対策,微生物の増殖を抑えるために添加すべき添加物,それぞれの添加物の特徴,抗菌メカニズムについて解説した。また最もよく使用される抗菌性添加物であるグリシンと他の抗菌性添加物の併用効果(グリシンと酢酸,食塩,リゾチーム,プロタミン,ポリリジン,ナイシン)について述べた。また,食品から分離した微生物に対する抗菌性添加物の効果を判定する具体的な方法と注意点について述べた。

Key words:
惣菜/Bacillus/乳酸菌/オゾン/酢酸/グリシン.