日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.42,No.3 (2014)

表題:
食品の微生物変敗防止技術と制御[6] 缶詰・レトルト包装食品の微生物変敗と制御
著者:
田中光幸(田中技術士事務所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.42,No.3,pp.157-164(2014)

缶詰食品,レトルト包装食品は,食品を容器に充填,脱気,密封後,加熱殺菌が行われる。この加熱処理によって当該食品中の変敗原因微生物を殺滅し,商業的無菌性が確保され,長期保存できる。
缶詰食品は食品衛生の見地から,pH4.6を境に低酸性食品と酸性食品に分類され,これは耐熱性ボツリヌス菌の発育最低pHが4.6に基づいている。低酸性食品はボツリヌス菌や変敗原因となる耐熱性細菌芽胞を殺滅するために,高温の加圧加熱殺菌を必要とするが,酸性食品では,一般に無芽胞細菌や酵母,カビ等を対象にした,穏やかな加熱殺菌が採られる。
缶詰食品の変敗には,食品の特性,加熱殺菌,変敗原因,変敗微生物,原材料と製造工程等の衛生管理等の多くの要因が関連しており,これらの微生物変敗とその制御について解説した。

Key words:
低酸性食品/ボツリヌス菌/変敗微生物/加熱殺菌/商業的無菌.