日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.42,No.3 (2014)

表題:
産業へのオゾンの利用技術[9] オゾンによる農業用土壌殺菌
著者:
蛯原健治(環境エネルギーラボ)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.42,No.3,pp.135-140(2014)

地球環境に優しくまた健康被害を及ぼさない農業用消毒を目指して,オゾンガスを用いた殺菌・殺虫法を開発した。誘電体バリア放電により生成される高濃度オゾン(最高100 g/m3)を土壌中に注入して,土壌の消毒を行う装置である。オゾン濃度や処理時間などのパラメータを変化して,土壌物性の変化,窒素循環サイクルへの影響,有害バクテリアの殺菌効果,植栽への影響を明らかにした。
土壌は,オゾンガス注入によりpH値が急激に低下し,時間の経過とともに回復する性質がある。オゾン処理土壌に植栽すると,有効バクテリアの減少やpH値の低下のために生育が抑制される。また,土壌中のバクテリアは90%程度殺菌できることが分かった。OHラジカルを利用したオゾンミスト消毒技術を将来技術として紹介した。

Key words:
Ozone(オゾン)/Soil sterilization(土壌殺菌)/Agriculture(農業)/Sterilization(殺菌)/Disinfestation(殺虫)/OH radical(OHラジカル)/Dielectric barrier discharge(誘電体バリア放電)/Bacteria(バクテリア)/DNA/Ozone mist(オゾンミスト).