日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.41,No.7 (2013)

表題:
細菌の分類と同定[8] 微生物資源の確保と菌株保存の重要性
著者:
中川恭好,鈴木健一朗((独)製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.41,No.7,pp.391-400(2013)

微生物は研究材料として基礎から応用まで幅広く利用されているだけではなく,公定法で指定された各種試験に数多くの微生物株が指定されており,「株」で指定された微生物株はカルチャーコレクションから入手する必要がある。本稿では微生物株の入手と取扱い,そしてカルチャーコレクションの利用法とその手続きにかかわる注意すべき点を紹介する。 微生物は世代時間が短いため,培養をくりかえすと,胞子形成能の低下や物質産生能の低下など,性質が変わることがある。また,種類によっては培地上での生存期間がきわめて短く,細菌では2,3日で死滅するものもある。失われたものと同じ株を環境中から分離することも難しい。したがって,微生物株を分離あるいは購入などにより入手したら,直ちに確実に保存することが重要であるため,微生物保存方法,また保存標品の品質管理方法について紹介する。

Key words:
カルチャーコレクション/微生物の保存/微生物の品質管理/シードロットシステム.