日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.41,No.3 (2013)

表題:
細菌の分類と同定[5] 性状試験による同定と注意点
著者:
菊野理津子((財)北里環境科学センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.41,No.3,pp.155-163(2013)

近年,主流となっている遺伝子検査においても,細菌の純粋培養や基本的な菌の性状確認は,重要である。製薬工場や食品工場などの現場では,細菌の分類と同定は必須な業務であり,微生物を扱う基本的な設備があれば同定可能な生化学的性状試験による同定法が活用されている。これらの業務に携わる担当者には,広範な衛生管理業務の一環として微生物検査を実施し経験値を深めていくことが求められている。そこで,広範な衛生管理を業務としつつ微生物検査を担当する方々に役立つことを目的に,グラム染色,オキシダーゼ試験,カタラーゼ試験などの主要な性状試験の原理を概説するとともに、実際に検査を進める上で役立つ基本的な操作手順と注意点,ならびに利用できる簡易同定キットの実情等について解説した。また,環境から検出される細菌類の性状と性状試験による検査手順を紹介し,同定検査の実施例を示し,これらの検査における注意点を述べた。

Key words:
Bacterial identification(細菌同定)/ Gram stain(グラム染色)/ Identification kit(同定キット)/Environmental bacteria(環境細菌).