日本防菌防黴学会

学会のご案内

関連情報

  • English

日本防菌防黴学会誌

Vol.41,No.2 (2013)

表題:
医食住のマイコトキシン[13] 環境中のマイコトキシン分析
著者:
滝埜昌彦(アジレント・テクノロジー(株))
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.41,No.2,pp.73-84(2013)

室内環境中には非常に多くのカビが繁殖しており,これら室内環境中に繁殖するカビの中でStachbotrysおよびAspergillus属が産生するマイコトキシのLC-MS/MSおよびLC-TOFMSを用いた分析法についてについて解説した。Stachbotrys属の主要マイコトキシンである大環境トリコテセン類(MTRs)のLC-MS/MSによる検出限界は0.02~0.23ng/mLであった。またLC-TOFMSは精密質量測定が可能であり,4種MTRのベースピークイオンの測定相対質量誤差は-1.54~1.98ppmであった。さらに,標準品の存在しないMRTsやその他マイコトキシン類の同定に有効であった。環境中Aspergillus属についてはAspergillus.fumigatusの代表的マイコトキシンであるグリオトキシンについてLC-MS/MS法およびLC-TOFMSを用いた分析法を解説した。LC-MS/MSでの検出限界は0.5ng/mLであった。LC-TOFMSではグリオトキシン以外のマイコトキシン類の網羅的測定が可能であった。

Key words:
LC-MS/MS/LC-TOFMS/MTRs/グリオトキシン/Stachbotrys属/Aspergillus属.