日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 40, No.11 (2012)



表 題 食品による寄生動物感染症[3]
原虫感染症(1) ザルコシスティス・クドア
著 者 八木田健司(国立感染症研究所 寄生動物部)
掲 載 防菌防黴,Vol.40,No.11,pp.705-714(2012)

近年問題となっていた生食用の生鮮食品(馬刺し,ヒラメ)を介した食中毒の原因が,実は寄生虫であることが明らかとなった。馬刺しの場合は住肉胞子虫ザルコシスティスSarcocystisが,またヒラメの場合は粘液胞子虫クドアKudoaという寄生虫がその原因とされている。現在これらの寄生虫は食中毒病因物質として,食中毒発生防止のための行政的な対策が進んでいる。が一方でこれらの寄生虫はこれまでヒトの健康上問題ないと考えられてきた種類であることから,なぜ,しかも今になって健康被害の原因となるのかという本質的な問題が残されている。食文化としての生食が,今日さらに多様化を増す我が国において,その解明は大きな課題と考える。本稿では,ザルコシスティスとクドアについて,それぞれの寄生虫学的特徴とヒトの健康との関係,近年のこれらの寄生虫による食中毒問題,そして研究の現状と今後の展開について解説した。

Key words ザルコシスティス(住肉胞子虫)/クドア(粘液胞子虫)/食中毒/馬刺し/ヒラメ/行政的対応.