日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 39, No.4 (2011)



表 題 くらしと微生物[4] コンタクトレンズ
著 者 坂上吉一(近畿大学農学部)
掲 載 防菌防黴,Vol.39,No.4,pp.247-252(2011)

コンタクトレンズの原理の発見者はイタリアの画家であり,科学者でもあったレオナルド・ダ・ヴィンチとされている。1508年,レオナルド・ダ・ヴィンチは,半球状のガラスのボールに水を入れ,水面に顔をつけて外を見ると物の形が違って見えることを発見した。その後多くの研究が行われ,実際に目に入れることのできるコンタクトレンズが登場したのは380年後の1888年であった。本格的な普及は,使い捨てタイプのソフトコンタクトレンズの登場により,コンタクトレンズが使いやすい状況になってからである。コンタクトレンズの装用人口は2008年で1,500万~1,800万人ともいわれ,国民の10人に1人がコンタクトレンズを装用していると推測されている。日本眼科医会が平成12年,平成15年および平成18年に,全国の小中高生を対象に実施したコンタクトレンズ装用状況に関する調査によると,平成12年,平成15年および平成18年と調査年度ごとに,中高生の装用人数が全学年で有意に増加している。今回,くらしと微生物に関わりの深いコンタクトレンズを取り上げ,微生物学的立場をふまえて,コンタクトレンズのおかれている現状等を解説した。
Key words コンタクトレンズ/レオナルド・ダ・ヴィンチ/装用者/眼障害/コンタクトレンズ保存液の微生物汚染.