日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 38, No.12 (2010)



表 題 木材保存の現状と将来[10] 木材保存剤が抱える問題
著 者 桃原郁夫((独)森林総合研究所)
掲 載 防菌防黴,Vol.38,No.12,pp.811-817(2010)

木材保存の意義は,保存処理により木材を長寿命化することにあり,二酸化炭素を木材中に貯蔵することにより,結果として地球温暖化を少しでも阻止しようというものである。確実な木材の保存技術を確立するために,保存処理木材の耐久性評価や耐用年数の設定,確実な木材保存技術の構築,処理対象となる木材の樹種や産地による注入量の違い,角材に限らず今後需要が見込まれる丸材に対する処理技術の確立,処理木材の寸法安定性の確保,水溶性薬剤注入後の乾燥やそれに対応するための乾式処置方法の確立など,多くの課題を抱えている。さらに,効力はもちろんだが安全性への配慮が重要視される中,今後新たな薬剤の開発が望まれている。
Key words 炭素貯蔵効果/ライフサイクルコスト(LCC)/ライフサイクルCO2(LCCO2)/加圧注入/耐用年数/寸法精度/乾式処理.