日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 38, No.11 (2010)



表 題 硬質表面に付着したトリオレインの定量評価における拭き取り法の操作因子
著 者 浦野博水,福崎智司(岡山県工業技術センター),大村宏之((社)日本食品機械工業会)
掲 載 防菌防黴,Vol.38,No.11,pp.715-722(2010)

ステンレス鋼およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)表面に付着したトリオレインの定量評価を対象に,拭き取り法の実効性に影響する因子を検討した。溶離液として用いたジクロロペンタフルオロプロパン(DCPFP)に耐性のある綿・レーヨン(CR)先端部と紙軸部から成るCRスワブ棒を用いた。CRスワブ棒の湿潤液として0.1% NaCl溶液を用いることにより,より効率的な拭き取り操作(200mN,20秒間)がステンレス鋼およびPTFEに対して実施できた。この時,少なくとも50~4,200μgのトリオレインが精度良く定量化でき,相関係数0.9以上の直線性が得られた。拭き取り操作による回収率は,主にCRスワブ先端部に回収されたトリオレインのDCPFP中での抽出効率に依存していた。湿潤液の使用・不使用による拭き取り操作の実効性は,Young-Dupreの式から算出したトリオレインの除去に要する疑似仕事量と相関性があった。
Key words Swab method(拭き取り法)/Quantitative assay of triolein(トリオレインの定量評価)/Hydrophilicity of hard surface(硬質表面の親水性度)/Wetting solution(湿潤液)/Interfacial tension(界面張力).