日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 37, No.11 (2009)



表 題 栽培から収穫におけるウメ果実とその環境の微生物汚染状況
著 者 村上ゆかり,ウェンダコーン スミトラ,泉 秀実(近畿大学生物理工学部)
掲 載 防菌防黴,Vol.37,No.11,pp.803-812(2009)

栽培から収穫にかけて,ウメ果実とその環境の微生物汚染状況を調査した。核形成期および硬核期の果実の微生物数は,検出限界値以下であり,検出された微生物種は,土壌細菌や植物病原菌が主体で,土壌や農業用水からも同菌種が同定された。核形成期の農業用水および灌漑後の草からは腸管出血性大腸菌が遺伝子レベルで確認された。収穫期では,果皮の真菌数のみが検出限界値以上で,果皮から検出された土壌菌を含む微生物種は収穫用ネット,カゴ,コンテナおよび軍手からも検出された。以上の結果から,ウメ果実の微生物制御には,農業用水,土壌および収穫用具の衛生管理が必要で,特に農業用水の重要性が示された。
Key words Japanese apricots(ウメ)/Microbial contamination(微生物汚染)/Foodborne pathogens(食中毒原因菌)/Agricultural water(農業用水)/Verotoxin-producing Escherichia coli(腸管出血性大腸菌).