日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 37, No.9 (2009)



表 題 コルクからのカビ臭原因物質2,4,6-トリクロロアニソールの除去技術
著 者 但馬良一,中田滝子(サントリービジネスエキスパート(株)),堤 哲雄(サントリー酒類(株)),片山竜雄,岩崎充宏(内山工業(株))
掲 載 防菌防黴,Vol.37,No.9,pp.651-657(2009)

カビ臭原因物質である 2,4,6-trichloroanisole(以下 TCA)をコルクから除去することを目的に,乾式加熱,薬剤処理などいくつかの方法を試みたが,いずれも表面的な処理に止まり十分な効果は認められなかった。筆者らは,高温高圧水蒸気を用いて完全な除去効果を示しかつ,コルク物性面でも飲料用の栓として実用可能な技術を確立した。更に,本法で処理されたコルクは,TCA除去と同時にその前駆体である 2,4,6-trichlorophenolも除去できたことから,その流通・保管からコルク栓使用飲料の物流段階を始め,消費者の手元に至るまでカビ臭が発生せず完全な処理技術と言える。
Key words Musty odor(カビ臭)/2,4,6-trichlorophenol/Cork taint(コルク腐敗)/Fungicide(防黴剤)/Wine(ワイン).