日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 37, No.1 (2009)



表 題 既存滅菌法と比較してプラズマ滅菌の有効性と将来性について
著 者 新谷英晴(中央大学理工学部)
掲 載 防菌防黴,Vol.37, No.1, pp.21-33(2009)

大気圧プラズマについての研究は多数なされている。しかしそれは開発した工学系の研究者がその性能評価のために片手間に行ったデータが多数であるため多くの不備が認められる。最大の不備は BI でのクランプ形成を無視している点で,生残曲線を見ると顕著なテーリング現象が認められ,更に走査電子顕微鏡写真では明瞭なクランプ形成が認められる。クランプを形成した場合,浸透力が数 十 nm レベルと浅いプラズマ滅菌ではテーリング現象が認められて当然である。浸透力が浅いという点は,プラズマ滅菌の利点でもあり欠点でもある。利点としてはバイオバーデンの死滅と同時に素材・機能適合性が確保できるという点である。 欠点としては滅菌最困難部位が多くなるという点である。従来生物系の人間がプラズマ滅菌に関わって来た経緯が少ないため,工学系のデータの解釈の再検討とデータの取り直しなどの必要性も含めながら,プラズマ滅菌についての現状と将来に関して記述した。
Key words Plasma sterilization(プラズマ滅菌)/Clump formation(クランプ形成)/Biological indicator(生物指標)/Survival curve(生残曲線)/Medical devices(医療機器).