日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 37, No.1 (2009)



表 題 照射香辛料の生残菌の同定による照射判定の向上(ノート)
著 者 越川富比古,松島昌子,廣庭隆行((社)日本アイソトープ協会甲賀研究所),武川哲也(原子燃料工業(株)),宮原 誠(国立医薬品食品衛生研究所食品部)
掲 載 防菌防黴,Vol.37, No.1, pp.15-20(2009)

香辛料を対象とした微生物学的検知法(熱処理法)において,照射の判定基準の一つとして,照射香辛料から検出された生残菌の菌種が照射判定の指標になるか否かについて検討した。5種類の照射香辛料(オールスパイス,オレガノ,セージ,パプリカ及び黒胡椒)から検出された生残菌は,芽胞を形成する Bacillus 属,グラム陰性菌,酵母菌と真菌であった。B. megaterim はパプリカ以外の照射香辛料で検出された。B. pumilus はオールスパイス,パプリカと黒胡椒で,B. cereus はオールスパイス,オレガノと黒胡椒で検出され,これらの3菌種の芽胞は放射線抵抗性が強く,照射判定の指標菌になると考えられた。オレガノ,セージとパプリカから検出されたグラム陰性菌の MethylobacteriumEscherichia 属及び Enterobacter 属の菌も放射線抵抗性が比較的強く,照射判定の指標菌になると考えられた。
Key words Food irradiation(食品照射)/Irradiated food detection(食品照射検知)/Irradiated spices(照射香辛料)/Spore-forming bacteria(芽胞形成菌)/Identification of surviving bacteria(生残菌の同定).