日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 36, No.11 (2008)



表 題 除菌スプレー製品の空間除菌効果の標準化
著 者 坂上吉一,原田昌之,米虫節夫(近畿大学農学部),五味満裕,鎌谷光宣,坂井小枝佳,大崎幸彦(小林製薬(株)中央研究所)
掲 載 防菌防黴,Vol.36, No.11, pp.733-739(2008)

除菌スプレー製品の空間除菌効果の標準化をめざす研究を,1m3のアクリル製試作装置(以下,試作装置)により評価・検討した。Staphylococcus aureus NBRC 12732を供試菌として,試作装置内に除菌スプレー製品(試作品および市販品)を1秒,3秒または10秒間噴霧し,供試菌の除菌効果を検討した。
まず,除菌効果の基礎的検討として,AOAC の効果判定試験方法を準用し,除菌スプレー製品の in vitro における効果を S. aureus NBRC 12732,Escherichia coli NBRC 3972 および Pseudomonas aeruginosa NBRC 13275 で検討した。その結果,除菌スプレー製品は3種類の細菌に十分な効果を示した。次に,S. aureus NBRC 12732 を供試菌として,試作装置内に除菌スプレー製品を1秒,3秒または10秒間噴霧後の菌の減少効果を検討した。その結果,10秒間では,試作品 B で2Log の減少が得られ,十分な除菌効果が認められた。一方,他の除菌スプレー製品は十分な除菌効果が認められなかった。
以上のことより,本試作装置の使用によりスプレー製品等の十分な除菌効果の検証が可能と考えられる。
Key words Reduction effect of microorganism(除菌効果)/Standardization(標準化)/Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌).