日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 36, No.4 (2008)



表 題 ペットから人へ,身近で起こる人獣共通感染症[5] 感染症の感染経路と症状,予防対策まで (4)原虫,寄生虫による人共通寄生虫症
著 者 野上貞雄(日本大学生物資源科学部)
掲 載 防菌防黴,Vol.36, No.4, pp.263-272(2008)

人獣共通感染症のうち,3割強は寄生虫感染症である。寄生虫感染症の制御と予防には,寄生虫感染症の特殊性を理解する必要がある。寄生虫感染症では,宿主における再感染防御能の誘導がウイルス性・細菌性感染症に比べて極めて弱い,再感染し易い, 持続/終生感染する,好酸球数の増多,IgE 抗体の上昇などの特徴がある。日和見感染症となっているものが多く,実害が実感されにくいため軽視されがちであるが,寄生虫感染症は感染数の大きさと感染時間の長さからも注意する必要がある。
Key words 犬糸状虫症/エキノコックス症/寄生虫/トキソカラ症/トキソプラズマ症.