日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 36, No.2 (2008)



表 題

食品・化粧品・医薬部外品・塗料における防腐技術□[3] 香料の抗菌性について

著 者 西澤陽一郎(高砂香料工業(株) 研究開発本部)
掲 載 防菌防黴,Vol.36, No.2, pp.125-130(2008)

香料(天然精油及びその成分,合成香料)の抗菌性については古くから知られており,現在でも多くの研究が行われている。天然精油をその構成成分によってグループ分けした場合,フェノール/キノン及びアルデヒドグループに高い抗菌性が認められ,これは香料成分でも同様の傾向が認められる。精油成分では Carvacrol,Eugenol,Citral などに高い抗菌活性が認められる。香料の中で防腐剤としての使用が認められているのは Thymol,Allyl isothiocyanate(カラシ抽出物),Hinokitiol(ツヤプリシン)であり,他の香料を利用する場合は着香目的の使用に際し,2次的に抗菌効果を期待することになる。実際に香料により抗菌性を付与することは難しいが,調合技術や他の配合成分との組合せなどによって,既存防腐剤の添加率を減らすことが可能になるであろう。
Key words 香料(Perfume,Flavor and fragrance material,Aroma chemical)/ 精油成分(Essential oil components)/ 抗菌性(Antimicrobial property).