日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 35, No.12 (2007)



表 題 生薬中の農薬残留分析の現状とポジティブリスト制
著 者 西澤秀男 (日本エコテック(株))
掲 載 防菌防黴, Vol.35, No.12, pp.831-838 (2007)

農作物は人が利用するのに都合が良いように改良された植物であり, 野生のものと比較すると抵抗性が弱く, 病害虫の被害を受けやすい。
化学的合成品が農薬として本格的に農業に使用されるようになったのは, 第2次世界大戦以降のことである。
その後色々の種類の農薬が合成され, 農業生産に貢献した。 最近になって, 中国産冷凍ホウレンソウ中のクロルピリホスの基準値オーバー, 無登録農薬等の問題に端を発し, 食の安全・安心が叫ばれた。 食品衛生法の改正で2006年5月からポジティブリスト制が施行された。 その結果, 全ての農産物・食品中の農薬に残留基準値が設定され, 取り締まりが強化された。 取り締まられる農薬が膨大になったことにより, これらの農薬の残留分析を効率的に実施するために, 一斉分析法が適用されるようになった。 今回, 一斉分析法の概要と生薬への適用について若干の知見を発表する。 一般の農産物に比べ生薬はマトリクスが多く, 単純な精製では容易に測定できない。 従来の GLC-FPD 等の機器に加え, GC/MS および LC/MS/MS 等を用い, 経験に培った精製法を駆使して測定せねばならない。
Key words ポジティブリスト制 / 残留農薬 / GC/MS / LC/MS/MS/一斉分析法 / 精製法 / 生薬 / 一律基準.