日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 35, No.10 (2007)



表 題 保存科学としてのカビ対策―住まいを含めたカビの現状と対策―
著 者 阿部恵子 (環境生物学研究所)
掲 載 防菌防黴, Vol.35, No.10, pp.667-675 (2007)

カビ発育環境の表示手段であるカビ指数と, その測定に使用する試験片 (カビセンサー) を紹介し, 住宅, 美術館収蔵庫, および古墳保存施設内部のカビ指数分布を示し, カビ防止対策について考察する。
カビ指数が高い環境ほどカビ汚染されやすい。 住宅のカビ汚染箇所は年平均カビ指数が5.8以上で, 美術館収蔵庫のカビ汚染箇所は夏期のカビ指数が7.6であった。 古墳保存施設では, 石室に接した空間のカビ指数が78を超え, 古墳内部がカビ汚染されるのは当然である。
住宅や収蔵庫では湿度制御が, 古墳では空気と水分の遮断がカビ汚染の防止に必須と思われる。
Key words Fungal index (カビ指数) / Museum (美術館) / Storehouse (収蔵庫) / Takamatsuzuka (高松塚)/ Kitora tomb (キトラ古墳).