日本防菌防黴学会

学会のご案内

関連情報

  • English
防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 35, No.4 (2007)



表 題 新規 Salmonella 選択分離培地の開発と性能評価
著 者 前田 俊 ((株)アトルA&F検査室), 金子孝昌 (関東化学(株)試薬事業本部マイクロバイオ部)
掲 載 防菌防黴, Vol.35, No.4, pp.201-206 (2007)

Salmonella 属菌の選択分離培養に用いる新規分離培地として RSM 培地を開発した。 本培地は, 供試菌株を用いた比較評価において, 従来の XLD 培地, MLCB 培地およびノボビオシン加 DHL 培地 (DHLN) と比較し, Salmonella 属菌発育支持能力および夾雑菌発育阻止能力に優れ, かつ, 実検体を用いた評価により従来用いてきた DHLN と比較し優れた分離能力を示した。 従来用いてきた DHLN にて分離されなかったのは, S. Infantis が7株および S. Enteritidis が1株であり, いずれも主要血清型であった。 さらに, 当検査室における平成12年から平成18年9月現在までの Salmonella 属菌分離状況を調べたところ, DHLN を使用していた平成12年1月から平成16年4月における分離率は2.7-3.6%であったのに対し, RSM 培地に変更した平成16年5月から現在では分離率は4.4-5.5%となり, 実際に検出率の向上が確認された。 検出精度の高い RSM 培地を導入することは, 安全・安心な畜産物の生産に向け, 養鶏農家等への更なる指導の徹底を図る上で有効な手段であると考えられた。
Key words Salmonella (サルモネラ)/RSM Agar (RSM 培地)/DHLN Agar (DHLN 培地)/Isolation frequency (検出率).