日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 35, No.3 (2007)



表 題 ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムとビス(2-エチルヘキシル)スルホコハク酸およびリン酸から成る常温溶融塩とその抗菌剤としての可能性
著 者 片野 肇, 秋田将弘, 巽 広輔 (福井県立大学生物資源学部), 塚谷才英 (日華化学(株)研究開発本部)
掲 載 防菌防黴, Vol.35, No.3, pp.147-152 (2007)

ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムカチオンとビス (2-エチルヘキシル) スルホコハク酸および同リン酸アニオンとの塩が室温で液体であることを見出した。 それらの融点は-40℃以下で熱減量は200℃程度までは認められないなど, 広い温度範囲で揮発しない安定な液体と言える。 粘度は103mPa s 以上と高く, 水とは混ざり合わない。 その物性に基づき, これら常温溶融塩を担持させた繊維について抗菌試験を試みたところ, 黄色ブドウ球菌に対して高い静菌活性値を得た。 以上より, これらの常温溶融塩は従来のハロゲン化物との塩とは物性が顕著に異なるベンザルコニウム抗菌剤として興味深い。
Key words Room temperature molten salt (常温溶融塩)/Benzalkonium (ベンザルコニウム)/Bis(2- ethylhexyl)sulfosuccinate (ビス (2-エチルヘキシル) スルホコハク酸)/Bis(2-ethylhexyl)phosphate (ビス (2-エチルヘキシル) リン酸).