日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 35, No.2 (2007)



表 題 ビワ種子抽出液の抗菌効果
著 者 森田 洋 (北九州市立大学国際環境工学部), 宮田和幸 ((株)王樹製薬), 馬見塚香織, 福田 翼, 野口和宏 (北九州市立大学国際環境工学部), 清藤順子 ((株)王樹製薬), 山本慎太郎 (名古屋大学大学院理学研究科)
掲 載 防菌防黴, Vol.35, No.2, pp.65-71 (2007)

ビワ種子抽出液は Fusarium oxysporum, Wallemia sebi, Escherichia coli, Staphylococcus aureus に対して, MICで10~100 mg/mlの抗菌活性が認められた。 抗菌活性は4~121℃, pH3~9 においても低下することなく安定的であった。 液体培地中におけるビワ種子抽出液の濃度を Fusarium oxysporum は300mg/ml に, また Escherichia coli 及び Staphylococcus aureus は 50mg/mlに制御することにより, 最適条件下で24~48時間培養以降の微生物増殖が認められなかった。 また Fusarium oxysporum については, 抽出液濃度を10mg/mlに制御することでも, 菌の生育を効果的に抑制することができた。 ビワ種子抽出液の抗菌効果は殺菌的であり, 培養時間を延長しても菌の増殖が認められなかった。 ビワ種子抽出液は, 抗菌剤や日持ち向上剤として, 抗菌分野をはじめとする様々な分野において, その用途可能性が広がった。
Key words Eriobotrya japonica (ビワ)/Seed extract (種子抽出液)/Antibiotic activity (抗菌活性)/Fusarium (フザリウム)/Escherichia coli (大腸菌)/Staphylococcus aureus (黄色ブドウ球菌).