日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 35, No.1 (2007)



表 題 アユの冷水病の現状と対策
著 者 原 日出夫 (神奈川県水産技術センター内水面試験場)
掲 載 防菌防黴, Vol.35, No.1, pp.56-63 (2007)

アユの冷水病は Flavobacterium psychrophilum による細菌感染症である。 1987年以降, 養殖場のみならず河川においても全国的に発生し, 重大な問題となっている。 2005年度は過半数の都道府県で発生した。 発生時期は4~11月, 発生水温は10~25℃ であった。 治療薬はスルフィソゾールナトリウムで, 加温と投薬の併用がより有効とされる。 卵の消毒剤として過酸化水素およびブロノポール等が検討されている。 ワクチンは開発中であり, 注射ワクチンの効果は高いが作業の手間やアジュバント残留が課題となっており, 投与が簡易な浸漬ワクチンや経口ワクチンの実用化が検討されている。 また, 一部の海産交配系アユが冷水病に強いことが判明し, 冷水病耐性系統の確立が期待される。
Key words Ayu (アユ)/Cold-water disease (冷水病)/Flavobacterium psychrophilum (フラボバクテリウム サイクロフィラム).