日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 34, No.12 (2006)


表 題 青果物/カット青果物の衛生管理法と微生物制御技術[3]青果物の衛生管理法(2)
日本における GAP の取り組み-顧客から信頼される農場管理のために-
著 者 田上隆一 (日本 GAP 協会, 農業情報コンサルティング(株))
掲 載 防菌防黴, Vol.34, No.12, pp.819-825 (2006)

農業生産現場のリスク管理手法として世界的に注目を集めているのが GAP (適正農業規範) である。 GAP は, Good Agricultural Practice の頭文字をとったもので, 直訳すると 「良い農業のやり方」 となる。 農産物生産の各段階で食品危害, 環境負荷, 農作業者に関わるリスクを最小化するために, 生産者が守るべき管理基準のことである。 日本では2004年度から, 食品の安全性を確保するための重要な政策課題となっている。 また, 日本 GAP 協会が EurepGAP をモデルにした日本版 GAP (JGAP) を作成し普及に努めるとともに, EurepGAP との同等性認証の手続きを進めている。
JGAP によって農産物の安心が担保され, 信頼関係で結ばれた新たな農産物流通モデル (生産と販売のコラボレーション) によって流通が合理化・効率化できればコストが下がり競争力を増加させることとなり, 品質および価格面でも消費者に受け入れられものとなって, 海外農産物に対抗でき, 自給率の向上, わが国農業の再生に貢献することができる。 卸売市場法の改正などわが国農産物流通の構造的変化と相まって JGAP が普及する環境が整いつつあり, 生産現場は意欲的に JGAP 導入に取組み始めた。
Key words GAP/ JGAP/ EurepGAP/適正農業規範/農場管理基準/ サプライ・チェーン.