日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 34, No.10 (2006)



表 題 固体培地上におけるコウジカビコロニーの発育過程
著 者 加藤由紀 (鳥取大学工学部)
掲 載 防菌防黴, Vol.34, No.10, pp.633-636 (2006)

同じ培地上に2つのコロニーが近接して存在する場合, 枯草菌などの細菌では栄養条件に応じてコロニーの融合あるいは反発が起こることが知られている。 本ノートでは, 複数のカビコロニー間の相互作用を調べる第一段階として, Aspergillus oryzae の2つのコロニーの発育過程について調べた。 栄養条件の異なる2種の培地において, 2つの接種点から発育する2つのコロニーの形及び面積を調べたところ, 栄養条件及び接種間隔に依らず, 2つのコロニーの占める領域は融合し概ね2円がつながる形となった。 また, 菌糸体の占める面が融合した後も, コロニー間には境界が存在した。 2つのコロニーの面積が1つのコロニーの半径に基づく評価式と一致することを示し, 融合したコロニーの発育過程を面積で評価する場合にコロニー間の相互作用を無視できることを結論した。
Key words Aspergillus oryzae (コウジカビ)/Fusion of colonies (コロニーの融合)/Growth (発育)/Solid medium (固体培地).