日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 33, No.9 (2005)



表 題 Y型ゼオライトのホルムアルデヒド吸着/脱離挙動および滅菌システムへの応用
著 者 伊藤秀幸,近江靖則,佐野庸治(北陸先端科学技術大学院大学 材料科学研究科)
掲 載 防菌防黴,Vol.33,No.9,pp.453-461(2005)

 本研究では安全性の高いホルムアルデヒド滅菌システムの開発を目的として,種々のアルカリ金属カチオンでイオン交換したY型ゼオライトのホルムアルデヒド吸着/脱離挙動およびその滅菌能について検討した。その結果,Y型ゼオライト細孔内に吸着したホルムアルデヒドはアルカリ金属カチオンとの強い相互作用により安定に存在していることが明らかとなった。また,Y型ゼオライトに吸着したホルムアルデヒドは50℃以上に加熱することにより脱離し,加熱温度の調整により濃度を容易に制御できることが分かった。さらにY型ゼオライトから脱離したホルムアルデヒドは枯草菌芽胞に対し滅菌能を示すことが分かった。これらの結果は,アルカリ金属カチオンでイオン交換したY型ゼオライトがホルムアルデヒド滅菌システムの安全性の向上に有効である可能性を強く示している。
Key words Formaldehydesterilization(ホルムアルデヒド滅菌)/Zeolite(ゼオライト)/Adsorption/desorp-tion(吸着/脱離)/13CCP/MASNMR(固体高分解能核磁気共鳴)/TG/DTA(熱重量示差熱分析)/FT-IR(フーリエ変換赤外分光).