日本防菌防黴学会

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防菌防黴誌(和文誌)

Vol. 33, No.5 (2005)



表 題 ロックウールを発酵熱の保持体とした家畜牛糞の新規分解処理法
著 者 森田 洋, 馬見塚香織, 福田 翼 (北九州市立大学国際環境工学部), 山田勝弘 (新日鐵化学(株)総合研究所)
掲 載 防菌防黴, Vol.33, No.5, pp.207-213 (2005)

 微生物の固定化担体となるスギチップとともにロックウールを添加することにより, 牛糞分解速度の向上及び発酵熱の保持を試みた。 肉牛糞100g, スギチップ500g に対して, ロックウールを50~75g 添加することで牛糞分解速度 (培養5日目で分解率92.5%), 及び培養器内の温度 (41~45℃) を向上することができた。 他の高炉スラグ由来である水砕スラグ, FF, エスメントにおいても同様に牛糞分解速度の向上が認められた。
  ロックウールの微生物親和性は非常に低く, 牛糞消滅分解速度を向上させた要因は, ロックウールを添加することで分解微生物の吸着サイトが増加することではなく, 微生物が呼吸により発生した発酵熱を保持する断熱材としての役割が大きいことが示唆された。 また, その添加方法は培養物と混合した場合が最も効果が高く, 培養物にふたをする形が最もその効果を弱めることが明らかとなった。
Key words Rock wool (ロックウール)/Cow dung (牛糞)/Fermentation heat (発酵熱)/Disposal units (処理装置).