日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.47,No.11 (2019)

表題:
化粧品の防腐技術者のための講座part 2
[5]製品開発フローにおける微生物汚染リスクアセスメントの考え方
著者:
鈴木留佳((株)コーセー 研究所 安全性・分析研究室)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.47,No.11,pp.473−480(2019)

化粧品はビューティトレンドと密接に関連し,短期間で開発されることもある。商品の企画概要を基に微生物学的リスクを多面的に予測し,研究開発の関連部署と連携しながらリスク低減とその評価を進めることが重要となる。本稿では,一般的な製品開発フローを示し,それぞれの段階で実施すべきことや留意点について,実務に役立つようなるべく具体的に記載した。
予測したリスクとそのアセスメントが適切であったかは,商品の市場反応を確認して初めて『答え合わせ』ができる。微生物トラブル(一次汚染,二次汚染)は有益な経験と捉え,原因と対策を各社独自の保証や判定基準構築に活用すると良い。
化粧品の微生物制御では中身(バルク)の防腐設計や保存効力試験が注目されるが,容器形態や使用方法,使用部位と合わせて複合的に判断されるべきものである。適切な防腐力を具現化するという意味でも,本稿が参考となれば幸いである。

Key words:
Cosmetic product(化粧品)/Risk(リスク)/Preservation effect(保存効力).