日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.47,No.9 (2019)

表題:
損傷菌[5]
農産物における損傷菌
-生鮮野菜とその一次加工における細菌損傷-
著者:
泉 秀実(近畿大学 生物理工学部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.47,No.9,pp.375−380(2019)

野菜の栽培中には農業用水の殺菌や農薬溶解,収穫中には用具類の消毒,一次加工中には洗浄殺菌などで薬剤を使用するため,薬剤損傷菌が生成する可能性がある。また,一次加工野菜(カット野菜)の出荷後は,フィルム密封包装(Modified atmosphere packaging:MAP)で,低温貯蔵・流通されることから,低温やフィルム内に蓄積したガス環境によるストレスが,微生物に損傷を引き起こすことも考えられる。このため,野菜およびカット野菜の損傷菌の発生と生残を抑制するためには,栽培から一次加工時に薬剤を使用する場合,損傷菌が生成しない十分な殺菌濃度で使用すること,また貯蔵・流通中は,菌の増殖抑制と損傷菌の制御を考慮した環境を設定することが必要となる。本講座では,筆者らの報告を中心に,野菜の栽培,収穫,一次加工からその後の貯蔵・流通環境における損傷菌の発生と生残性について,実用上の留意点を含めて解説する。

Key words:
Fresh-cut vegetables(カット野菜)/Sublethally injured bacteria(損傷菌)/Sanitizer(殺菌剤)/Coliform groups(大腸菌群)/Escherichia coli O157:H7(大腸菌O157:H7).