日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.47,No.6 (2019)

表題:
室内環境における微生物汚染実態および制御[3]
浴室のカビ汚染実態および制御
著者:
山岸 弘(ライオン(株) リビングケア研究所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.47,No.6,pp.233−237(2019)

住環境の中でも浴室はカビの汚染を受けやすい場所の一つである。カビの生育には,温度・湿度・栄養の条件が揃う必要がある。浴室は入浴中には季節に関わらず25℃以上になることから,冬でもカビが生育し易い環境になる。また,入浴中は湿度が99%RHに上昇し,入浴人数が多いほど高湿度環境が長く続き,入浴後も湿度はすぐには下がらない。さらに,カビの栄養となる種々の汚れが存在するため,浴室は年間を通してカビの生育に好適な環境となっている。
浴室の代表的なカビ汚染は床や壁に黒く生え,視覚的に認識されるものが多く,生活者の不快感につながっている。これらカビの一般的な対処には,スプレータイプの塩素系カビ取り剤や浴室用洗剤が使用されている。
本稿では浴室のカビ汚染の実態と汚染が拡散するメカニズム,浴室の温度・湿度・栄養がカビの生育に及ぼす影響,塩素系カビ取り剤を用いた掃除や日頃のカビ対策の注意点,くん煙技術を活用した簡便且つ効果的なカビ対策について紹介する。

Key words:
Mold pollution(カビ汚染)/Bathroom(浴室)/Spore(胞子)/Ceiling(天井)/Anti-mold Fogger(防カビくん煙剤).