日本防菌防黴学会

学会のご案内

関連情報

  • English

日本防菌防黴学会誌

Vol.47,No.6 (2019)

表題:
環境水からのレジオネラ・宿主アメーバ検出とその制御[12]
レジオネラ属菌の宿主となる自由生活性アメーバ
著者:
枝川亜希子(大阪健康安全基盤研究所 衛生化学部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.47,No.6,pp.229−232(2019)

自由生活性アメーバ(以下,アメーバ)は,土壌や水などの環境中に広く生息する原生動物である。レジオネラ属菌(以下,レジオネラ)と生息環境が類似しており,アメーバが検出される水環境ではレジオネラが高率で検出される。アメーバの多くは非病原性であるが,レジオネラなどの病原細菌類の増殖の場となり,感染症の発生に関与していることが明らかになってきた。そのため,レジオネラ対策を行う際は,レジオネラだけでなく宿主であるアメーバも含めた対策を講じることが公衆衛生上重要となっている。また,アメーバの中には稀にヒトに強い病原性を有する種が存在する。
本講座では,アメーバの特性やレジオネラとの関係,検出方法,生息状況などについて解説する。

Key words:
Free-living amoebae(自由生活性アメーバ)/Legionella spp.(レジオネラ属菌)/Acanthamoeba(アカントアメーバ)/Naegleria(ネグレリア).