Vol.46，No.10 (2018)

表題：

靴内部に残存する白癬菌等の汚染菌を抗菌する植物精油の選択と抗菌条件の検討（原著論文）

著者：

石島早苗，江澤邦夫，高橋美貴，安部 茂（帝京大学医真菌研究センター），丸山奈保（帝京大学医真菌研究センター，帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科）

掲載：

日本防菌防黴学会誌，Vol.46，No.10，pp.441−446（2018）

足白癬の原因の環境中の白癬菌からの再感染を減らすために，感染部位に近い靴の中を殺菌する方法として，低分子で高揮発性の植物精油について検討した。11種類の精油についてアロマトグラム法で，7種類の精油について密閉箱気体法で抗白癬効果を検討した。その中で，強い効果を示したレモングラス油とその主成分（70％以上含有）のシトラールについて，希釈溶媒や濃度について検討した結果，揮発性の抗白癬効果は，レモングラス油，シトラール共に，40％以上のイソプロパノールで0.5％に希釈した溶液で1か月は安定した強い抗菌効果を示した。また，同様の溶液で，靴の中の臭いの原因菌である枯草菌に対しても強い抗菌効果が得られた。

Key words：

Tinea pedis（足白癬）/Essential oil（精油）/Lemongrass（レモングラス）/Citral（シトラール）/Shoes（靴）．