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日本防菌防黴学会誌

Vol.46,No.8 (2018)

表題:
食中毒[6]
食中毒事例紹介〜大規模食中毒,重症化事例〜
著者:
横山佳子(京都女子大学家政学部食物栄養学科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.46,No.8,pp.353−364(2018)

食中毒は時折,広域・大規模に発生することがあり,社会的に大きな影響を与える。2000〜2016年では患者数100人以上の事件数は726件であり,主な病因物質は「細菌」,「ウイルス」,「化学物質」であるが,圧倒的に微生物によるものが多い。特に「ノロウイルス」による事件数が最も多く,細菌では「サルモネラ属菌」,「ウエルシュ菌」,「その他の病原大腸菌」による事件数が多い。本稿では,「サルモネラ属菌」,「ウエルシュ菌」,「その他の病原大腸菌」,「ノロウイルス」による大規模事例について紹介する。また2003年に同定された新種のEscherichia albertiiによる食中毒事例についても紹介する。ほとんどの事例で人為的ミスが発生要因となっており,従事者の衛生教育が重要である。時に食中毒は死者が発生することがある。重症化事例として,セレウス菌食中毒から劇症肝不全によって死亡した外国の事例を紹介する。

Key words:
Salmonella(サルモネラ属菌)/Clostridium perfringens(ウエルシュ菌)/Enteropathogenic Escherichia coli(病原大腸菌)/Norovirus(ノロウイルス)/Bacillus cereus(セレウス菌).