日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.46,No.8 (2018)

表題:
ビワおよびヤマモモ種子油の消臭効果と抗菌効果(短報)
著者:
邊見篤史,杉野 努(リリース科学工業㈱),小路美紀(近畿大院・システム工),野村正人(近畿大・工)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.46,No.8,pp.349−352(2018)

身近な季節の果物であるビワおよびヤマモモは多くの人々に好まれている。その種子の一部は漢方薬の原料として使用されている以外は廃棄されている。そこで,それぞれの種子から得られた抽出物の新たな活用を目的に本研究を行なった。すなわち,それぞれの種子から得られた脂肪酸を含む抽出物の利用として,最近,人々の日常生活の中で臭いの苦情に関わる問題があることから,11種類の臭気物質に対する消臭効果ならびに,身近な菌である大腸菌および枯草菌に対する抗菌効果について検討し,工業的利用方法を明らかにした。その結果,これら2種類の脂肪酸を含む抽出物を1:3(ビワ:ヤマモモ)の割合で混合することにより消臭効果が向上することがわかった。また,抗菌効果については,より効果が向上する割合としては1:5(ビワ:ヤマモモ)であり,著者らが期待した効果の向上が認められた。以上のことから,より安全な消臭剤ならびに抗菌剤の開発につながるものと思われる。

Key words:
Eriobotrya japonica (Thunb.) Lindl. (ビワ)/Morella rubra Lour(ヤマモモ)/Seed oil(種子油)/Deodorant effect(消臭効果)/Antibacterial effect(抗菌効果).