日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.46,No.7 (2018)

表題:
超高感度ATP測定技術を用いた固形医薬品製剤における迅速生菌検出法の確立(原著論文)
著者:
植田真規子,森 充生(エーザイ(株)),野田英之,久松光湖((株)日立製作所),福薗真一((株)日立ハイテクソリューションズ)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.46,No.7,pp.285−293(2018)

固形医薬品製剤の生菌数検査の迅速化を目指し,従来性能を大幅に改善した超高感度ATP測定機を応用する新たな生菌検出手法を検討した。一般に不溶性成分を含む固形剤は迅速生菌検査に適用できない課題がある。本研究では7種類の不溶性の医薬品原料の懸濁液に低速遠心を施すことで,菌が存在する溶液層から不溶成分を分離でき,その結果として不溶成分がATP検出に及ぼす阻害を回避することができた。さらにモデル製剤用に最適化したATP測定プロトコルによって,日本薬局方に規定された5菌種について製剤中の生菌の存在を検出でき,1測定あたりの検出感度は5CFUであった。以上の結果から,不溶性の固形医薬品製剤について今まで1週間を要していた生菌数検査を2時間に短縮でき,かつ高感度に検出可能であることが示された。

Key words:
Rapid microbial method(微生物迅速試験)/Adenosine triphosphate(アデノシン三リン酸:ATP)/Non-sterile pharmaceutical products(非無菌医薬品)/High sensitive(高感度)/Bioluminescence(発光検出).