日本防菌防黴学会

学会のご案内

関連情報

  • English

日本防菌防黴学会誌

Vol.46,No.3 (2018)

表題:
新興・再興感染症[6]
インフルエンザ
著者:
川名明彦(防衛医科大学校 感染症・呼吸器内科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.46,No.3,pp.121−128(2018)

インフルエンザは人獣共通感染症であり,ウイルスの抗原性は変異しやすい性質を持つ。季節性インフルエンザは,通常は予後良好であるが,高齢者や基礎疾患を有す者では重症化する場合もある。治療にはノイラミニダーゼ阻害薬が,予防にはワクチンが用いられる。鳥インフルエンザは通常ヒトには感染しないが,A(H5N1)やA(H7N9)などについてはウイルスとの濃厚接触によりまれにヒトに感染し重症化する。ウイルスの変異によりヒトへの効率良い感染性を獲得するとパンデミック株になる可能性が指摘されている。インフルエンザウイルスのパンデミック株とは,主に動物のウイルスとヒトのウイルスとの遺伝子再集合により出現する新亜型ウイルスを指し,このようなウイルスに対して人類は免疫を持たないため世界的大流行(パンデミック)を起こしうる。過去にもパンデミックは幾度も発生しており,様々な被害をもたらしている。現在わが国も次のパンデミックに備え,様々な準備を進めている。

Key words:
季節性インフルエンザ/鳥インフルエンザ/新型インフルエンザ/A(H5N1)/A(H7N9).