日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.46,No.3 (2018)

表題:
滅菌機器の規格と現状,今後の展望
5.医療現場における保守・管理方法
(5-5 歯科領域の感染制御)
著者:
小澤寿子(鶴見大学歯学部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.46,No.3,pp.115−120(2018)

歯科診療では,口腔粘膜,唾液,血液に接触する機会が日常的であり,鋭利な器具や切削機器の使用頻度が多いため,院内感染の危険性が高い。したがって,感染予防対策としてスタンダードプレコーションの概念が重要である。主な感染経路は,感染源との直接の接触,汚染された器具,器材などとの間接的接触,歯の切削時などの飛沫を介しての接触や吸入であるので,歯科医療従事者の個人防護具の装着,診療の内容によりレベル分けした器具器材の洗浄と滅菌消毒,エアータービンや超音波機器を使用する場合の的確なバキュウム操作などが必要となる。特にエアータービンハンドピースなど中空状の構造を持つ器具については内部まで洗浄・滅菌可能な機器を適切に使用することが重要である。さらに,歯科用チェアユニット給水系の水回路チューブ内壁にバイオフィルムが付着することが原因で,歯の切削時などに使用する水の汚染されることから,歯科治療時に供給される水の汚染対策についての日常的な対策が必要である。

Key words:
Dentistry(歯科)/Infection Control(感染対策).