日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.45,No.10 (2017)

表題:
化粧品の防腐技術者のための講座[11] 皮膚上の微生物と微生物制御
著者:
赤座誠文(日本メナード化粧品(株) 総合研究所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.45,No.10,pp.503−512(2017)

顔面及び体幹の皮膚には,Propionibacterium spp.(P. acnes),Staphylococcus spp.(S. epidermidis),Malassezia spp.といった皮膚常在菌が生息している。これらの菌は,通常は皮脂膜の一部を構成し,Staphylococcus aureusStreptococcus pyogenesといった病原菌の排除など,ヒトにとって有益な役割を担っている。しかし,何らかの原因によって過剰増殖したりすると,尋常性痤瘡(ニキビ),マラセチア毛包炎,毛包炎など,様々な皮膚疾患を引き起こす。これらの皮膚疾患を予防するためには,化粧品を上手く活用して,皮膚常在菌を適正なメンバーに整え,過剰増殖のない状態に維持すること,すなわち皮膚常在菌バランスを保つことが重要である。

Key words:
皮膚常在菌/皮膚疾患/Propionibacterium/Staphylococcus/Malassezia.