日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.45,No.8 (2017)

表題:
化粧品の防腐技術者のための講座[10] 浴室内の微生物と微生物制御
著者:
山岸 弘(ライオン(株)・リビングケア研究所)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.45,No.8,pp.413−417(2017)

住環境の中でも浴室は,微生物による汚染を受けやすい場所の一つである。本稿では,浴室のカビとピンクヌメリについて,汚染実態と制御方法を紹介する。 浴室の主要汚染カビはCladosporium属とPhoma属で,生活者の汚染意識が低い天井も84%が汚染されており,天井のカビは目に見えにくいが胞子の形成率が高い。さらに,天井のカビ胞子は飛散して浴室内の様々な場所のカビ汚染の原因になっている。 一方,ピンクヌメリの主要汚染菌はRhodotorula属とMethylobacterium属で,カビと比べて生育が速く短期間でピンク色のコロニーを形成する。 前述の4菌の生育に対して浴室の汚れ成分や湿度・温度が及ぼす影響について紹介する。 微生物汚染の制御策としては,カビ取り剤の効果的な使用方法や予防方法を紹介し,さらにカビ汚染の原因である天井カビの効果的な対策としてくん煙技術を活用した新しい方法を紹介する。

Key words:
Microbial contamination(微生物汚染)/Bathroom(浴室)/Cladosporium(クロカビ)/Spore(胞子)/Pink slime(ピンクヌメリ)/Rhodotorula(ロドトルラ)/Methylobacterium(メチロバクテリウム)/Anti-mold Fogger(防カビくん煙剤).