Vol.45，No.4 (2017)

表題：

食品・医薬品・環境分野等の微生物試験法および微生物汚染の制御に関する最近の話題[6]
「食品衛生検査指針 微生物編2015」収載試験法

著者：

朝倉 宏，岡田由美子（国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部），五十君靜信（東京農業大学 応用生物科学部）

掲載：

日本防菌防黴学会誌，Vol.45，No.4，pp.225−229（2017）

国際的な食品の規準を決めるコーデックス委員会では，各国の食品微生物基準を策定するためのガイドライン（CAC/GL 21-1997）を示している。この中で，食品の微生物試験法については，ISO法を国際標準とした上で，同法または科学的に妥当性を確認した他の試験法を採用することを求めている。わが国の微生物規格基準は，これまで日本独自の微生物試験法を採用してきた経緯もあり，国際協調をはかる観点から，これらの試験法を見直し，コーデックス委員会の求める食品の微生物規準策定に採用可能な微生物試験法の見直しを行う必要が提唱されてきた。こうした国際標準化の流れに沿って，食品微生物分野の専門家からなる“食品からの微生物標準試験法検討委員会”の議論等を基盤として，「食品衛生検査指針 微生物編2015」が昨年度に改訂された。本稿では，その概要と新たに収録された代表的な試験法について紹介したい。

Key words：

食品衛生/微生物試験法/国際標準/食品衛生検査指針 微生物編2015.