日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.43,No.10 (2015)

表題:
カビ検査法[10] カビ毒分析
著者:
田端節子(東京都健康安全研究センター)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.43,No.10,pp.485−494(2015)

カビが産生する有毒代謝産物は,カビ毒(マイコトキシン)と呼ばれ,その中には,毒性が強く,幅広い食品を汚染しているものがあり,食品衛生上大きな問題となっている。主要なカビ毒であるアフラトキシン,パツリン,オクラトキシン,トリコテセン系カビ毒,ゼアラレノン,フモニシンには,それぞれ特徴的な毒性,汚染食品,産生菌とカビ毒産生に適した条件がある。
カビ毒産生能試験や食品中のカビ毒検査を行い,正しい結果を得るためには,注意すべき点がある。分析対象のカビ毒の化学的性質,安定性等を知っておくこと,分析法の原理,精度,感度を把握して目的に合った分析法を選択すること,確認試験を行うこと等である。その手助けとなるよう,カビ毒分析によく使用される分析法について,原理,操作の流れと注意点等について解説した。

Key words:
カビ/カビ毒/分析/カビ毒産生能試験/チップ培養法/化学分析/免疫学的スクリーニング検査.