Vol.43，No.9 (2015)

表題：

食品添加物による食品の安全確保 －食品添加物使用時の留意点と食品添加物を安全管理指標として用いる試み－

著者：

山﨑裕康（神戸学院大学薬学部）

掲載：

日本防菌防黴学会誌，Vol.43，No.9，pp.431−434（2015）

食中毒予防の一つとして，複合調理食品による食中毒防止には，食品調製後販売までの，微生物増殖抑制を中心とする衛生管理が重要であり，食品添加物製剤が汎用されている。しかし，使用実態調査においては添加物本来の目的が十分果たされていないと指摘されている。添加物製剤は，食品ごとに，その効果が確実に発揮できる量を添加することが肝要であるといえる。
一方，添加物である着色料を利用した，コールドチェーンにおける温度管理インディケータの開発が試みられている。このインディケータは，食品添加物が成分であるため破損による食品汚染時でも安全性が高い。
応用範囲はきわめて広く，中小の輸送業者だけでなく，食品調理後の温度管理や一般家庭の冷蔵庫の温度管理にも利用可能である。

Key words：

食品添加物/食中毒予防/適正使用/温度管理インディケータ．