日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.43,No.4 (2015)

表題:
UV滅菌・殺菌について−その原理と応用−
著者:
新谷英晴(中央大学理工学部)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.43,No.4,pp.167−171(2015)

UV光はその浸透性の故に有用性が充分に認識されていない。しかしながら空気中や水中の浮遊菌ならびに汚染菌の除去には有効であり,特に水中の原生動物ならびにVBNC(viable but nonculturable microorganisms)の殺菌・除菌には頗る有効性を発揮することが期待される。UV照射は滅菌の分野というよりは食品の様な殺菌の分野で主に実施される。例示すると,飲用水の殺菌に使用され,エンドトキシンフリーの水製造やエアフィルターと組み合わせて用いる空気殺菌の際にも用いられ,特筆すべきは病棟や手術室,無菌実験室ならびに危険な微生物を扱う様にデザインされた安全キャビネット内の滅菌・殺菌に使用されることである。UV殺菌はエアフィルターの様な方法と組み合わせて用いられた場合は非常に有効な成果を発揮するが,空気滅菌手段に変わり得る物ではない。本解説ではUV照射での滅菌・殺菌メカニズムならびに耐性,応用分野などについて記述する。

Key words:
UV radiation/Disinfection/Sterilization/Drinking water/Endotoxin/VBNC.