日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.43,No.2 (2015)

表題:
保存効力試験のための最確数法とマイクロプレートを用いた菌数測定法の評価(原著論文)
著者:
髙田浩一(参天製薬(株)・品質マネージメントグループ・滋賀品質管理チーム),中田雄一郎(参天製薬(株)・品質マネージメントグループ)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.43,No.2,pp.57−63(2015)

従来の菌数測定法を用いた保存効力試験は,菌数測定時にサンプルの希釈の繰り返しや多くの寒天培地の作成が必要なため,手間のかかる試験である。効率よく保存効力試験を実施するために,新たにマイクロプレートを用いた最確数法(MPN-MP法)を開発し,保存効力試験に応用した。MPN-MP法が適切な方法であることを確認するために,この測定法の真度,精度,直線性について評価するとともに,模擬の試験サンプルを用いた混釈法との比較評価を行った。MPN-MP法は従来の菌数測定法と同等の真度,精度,直線性が得られ,混釈法との比較評価においても同等の測定結果が得られると考えられた。このことから,MPN-MP法は保存効力試験の菌数測定法として,点眼剤などの保存効力を必要とする製剤の開発に有用であることが解った。

Key words:
Preservative-effectiveness tests(保存効力試験)/ Counting method(菌数測定法)/ Micro plate(マイクロプレート)/ Positive control(陽性対照).