日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.42,No.11 (2014)

表題:
掃除とカビ
著者:
浜田信夫(大阪市立自然史博物館)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.42,No.11,pp.605−611(2014)

住環境のカビ汚染を除去するために,掃除は最も基本的な手段である。微生物対策としての掃除は,単に汚れやホコリを除去する掃除とは異なって,殺菌の作業を含んでいる。カビの予防対策として乾燥は重要であるが,水周りでは乾燥は不可能で,掃除しか有効な対策のない場合が多い。本解説では,掃除の歴史をたどると共に,電気掃除機の有効性について検討した。また,台所や浴室の水周りでなされている掃除についての有効性を吟味した。掃除しやすい個所にカビ汚染は少なく,掃除しにくい個所のカビは多い傾向が見られた。さらに,カビ取り剤を用いても,カビ対策としては万能ではないことが分かった。掃除の意義についての正しい知識の普及が必要である。

Key words:
Fungi(菌類)/Vacuum cleaner(掃除機)/Water supply(水周り).