日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.42,No.4 (2014)

表題:
食品産業における硬質表面洗浄の理論と実際 [3] 洗浄の物理化学
著者:
福﨑智司(三重大学大学院生物資源学研究科)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.42,No.4,pp.201-206(2014)

洗浄は,界面における汚れの付着と離脱の過程である。媒質中(水や空気)にある汚れと被洗浄体が接触して汚れ/被洗浄体の界面を形成することが汚れの付着過程である。一方,汚れ/被洗浄体を洗浄液中で処理し,安定な汚れ/洗浄液および被洗浄体/洗浄液の界面に置換させる過程が洗浄である。一般に,油膜汚れは被洗浄体の一面に濡れるように付着するため,付着過程における界面自由エネルギーの変化量が大きい。この場合,平衡論的な取り扱いとして界面自由エネルギーに基づいて考察できる。一方,固体汚れのように,被洗浄体に対して点接触で付着する場合は界面自由エネルギーの増減がそれほど重要な因子とならないため,洗浄過程はポテンシャルエネルギーに基づいて考察できる。第3回目は,界面自由エネルギーとポテンシャルエネルギーに基づく考察を解説する。

Key words:
Interfacial free energy (界面自由エネルギー)/ Interfacial tension(界面張力)/ Young-Dupre equation(Young-Dupreの式)/ Total interaction potential energy(全相互作用ポテンシャルエネルギー)/ Electrostatic interaction(静電的相互作用).