日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.41,No.11 (2013)

表題:
感染症の現状と展望[2] 日和見感染症・医療関連感染症
著者:
桜井直美(茨城県立医療大学)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.41,No.11,pp.629-633(2013)

医療関連感染症および日和見感染症の宿主側の要因,病原体について概説した。日和見感染症はいわゆる弱毒性の微生物によって引き起こされるため,病原体側の病原因子よりは宿主側の免疫能の低下によって起きる。このような状態の宿主の事を易感染性宿主と呼ぶ。医療関連感染は医療機関内での感染症であるが,感染を受けるのは主として易感染性宿主である患者となる。易感染宿主が感染する病原体は日和見病原体と言われ,環境中や人体に常在する微生物が多い。基本的には弱毒性が多く,患者予後に大きな影響を与えることが多いが,市中感染を引き起こす病原体による医療関連感染症もある。どちらの場合も,医療機関で急速に広がるため,医療従事者の予防に対する対策が重要となる。

Key words:
日和見感染症/易感染性宿主/医療関連感染/物理的防御機構/医療処置.