日本防菌防黴学会

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日本防菌防黴学会誌

Vol.41,No.3 (2013)

表題:
医薬品製造現場から医療現場までの水の微生物管理[1] 開講にあたり-現実可能な是正策-
著者:
大薗英一(日本医科大学)
掲載:
日本防菌防黴学会誌,Vol.41,No.3,pp.173-174(2013)

病院内で行われる院内製剤が製薬現場と同等になるように目指す場合,水環境の微生物管理が重要となる。殊に腎臓病による腎機能廃絶者に対する人工透析用の透析液は,一人の患者に1回あたり0.1トン単位と大量に使用されるために製薬現場で調整された原薬を各医療施設で希釈調整している。元来の救命措置から,数十年に及ぶ生命維持が可能となったために新たに浮上してきた,品質上の問題である。
製薬現場での「溶液の無菌化」は,無菌製造のための適切な設備を揃えその中で適切な操作を行う事で達成している。しかしかつて先達の業界も通ってきたこの「無菌化」への道は,現在進行中の状態で現実可能かつ妥当な是正が積み重ねられたものと拝察される。 本講座は,その同じ道をこれから歩む医療現場・特に人工透析の現状を,39回年次大会の同名のシンポジウムの講演録と共に提示した。溶液の無菌化を実現しかつ実証する,という点を議論できる数少ないフィールドである本学会員各位の忌憚のないご意見を頂戴できれば幸甚である。

Key words:
Heterotrophic/Hemodialysis/Dialysate(dialysis water)/Water quality in microbiology/Hospital preparation.